【春音アリスグラム】【ネタバレなし】レビューと感想。

【春音アリスグラム】コンプしたのでレビュー書いてきます。

ネタバレは最下段に区分けしています。

あと未プレイの方が読まないほうがゲームをより楽しめそうな細かい考察部分も区切っておりますので安心してご覧ください。

タイトル：春音アリスグラム

ブランド：ＮａｎａＷｉｎｄ

年齢区分：18歳以上

対応ＯＳ：Ｗｉndows　日本語版　ＶＩＳＴＡ/７/８/１０

シナリオ　★★☆☆☆

尋常じゃない位に長く、その上ほとんど変化の感じられない日常シーン。

ある意味リアルな学生経験かもしれないが、プレイヤー目線としては退屈に思える。

選択肢も山ほどある、どれも個別ルートへのフラグを立てる以外の役割を担っていないのでほぼ無意味だが。

「秘密を解き明かすことができるか」って触れ込みだが、解いていくのはユーザーではなく主人公のソータローくん。なので謎解きゲーではありません。

全く何も無いかといえばそうでもないが、起こったとしても些細な案件。

個別ルートではそれぞれ方向性の違う展開を見せるものの、さほど感情が揺さぶられはしなかった。

シナリオゲーというよりも萌えゲーといった仕様の作品。

あと、ちょいちょい雑学やなぞなぞがあるんで、そういうのが好きな人にはいいかも。

プレイすると雑学が色々身に付くかもしれません。

グラフィック　★★★★☆

女性キャラの体型はかなりデフォルメされている仕様。

昔ながらの美少女ゲームにありがちなダイナマイトボディと萌え全開の顔。~~この絵柄に任せてゲーム作りゃ他が雑でも売れるわな~~

真新しい近代的な塗り方と元祖ギャルゲっぽい肉体の融合により、やや古風ながらも古臭さを感じさせない仕上がりになっている。

背景も綺麗なんだが、一部手抜き感があります。

主人公があまり立ち寄らない場所は天井を写して誤魔化す。

何度も立ち寄らない所だから背景を作らずに省きたいというメーカー側の事情は分からんでも無い、だが実際プレイしている側から見て違和感が半端ないのでマイナス部分である事は否めない。

登場機会の少ないモブを黒シルエットで片付ける。

非常口の逃げるマークの様な感じ。

これは明らかにやっつけ仕事に見える、これで表現するくらいなら立ち絵皆無の方がマシ。

サービスシーン　★★★☆☆

各キャラ４回ずつの計２０シーン。

少なくはないが、ゲーム全体のボリュームと比較したらやや少なめに感じる。

全シーン着衣ものばかりなので肌色成分の期待をしてはならない。

ただ心なしかモザイクが薄い感じがします。~~ギリモザ~~

選択肢もないので融通が利かない部分もあり、ただ鑑賞しているだけと言った具合。

作中の膨大かつ不要な選択肢をこっちに回した方がよかろうに。

音楽　★★★☆☆

効果音の出来栄えにはムラがある模様。

違和感を覚えた部分

シャワーがノイズ音にしか聞こえない。

風紀委員の集団の走る音が甲冑を装備した軍隊みたいにガシャンガシャン言うてはる。

男が男にタックルした音がぽよんだったり、逃げる時の音がピューンって感じの音だった時には笑ってしまった。

リアルなのもある

着信音はかなりリアルでちょっとビビった。ここまで完成度高いとリアルで着信音が嫌いな人にはちょっと心臓に悪い、現実のスマホ確認してしまったくらい。

ＢＧＭは可もなく不可もないかと、ここらへんは感性次第なので何とも言いがたい。

ここから先は総評となります。

ネタバレはしませんが、ここから先は読まない方がより本編を楽しめるかと思います。

一人攻略時点での感想も書いてありますのでよろしければどうぞ。

↓

総評　★★☆☆☆

大長編凡作ゲーム。

あまりにもボリュームがあり過ぎるが故にどうしてもプレイしているとダラけてしまう。

毎日のんびりと二時間くらいやっていく様なプレイスタイルの人にはいいかもしれない、そのペースなら一ヶ月近く作品を味わえます。

シナリオに関して言えば可もなく不可もないってのが率直な感想です。

ただ、このシナリオを表現するのにここまでの長い尺は不要に感じます。

あまりに長すぎたんで(永かったというべきか)、正直言うとやっと終わったという感情が一番大きいです。

この膨大なボリュームは個人的にはマイナスの印象だが、長っがい萌えゲーを遊びたいって人にとってはプラスに該当するでしょう。

あと体感的にだが風紀委員長(金髪ガーターベルト)の出番が極端に少ないので、彼女目当てで購入すると少々痛い目見るかも。

以下ネタバレ感想

↓

ネタバレ個人的感想

いちいち現在地に全体図でレーダーチャートする意味はあるのだろうか。

進行が遅くなり、微妙にフラストレーションが溜まる。

背景ミスなのか分からんが、ぶっ壊れたハズの天球体がスイッチを入れた後ちゃっかり修復されてたのには笑ってしまったw

「下の階に戻ってくるなり、俺たちはすぐに変化に気づくことができた。」などと言って直っている球体を盛大にスルーしてしまう主人公、なぜこんなバカデカい変化に気づかないんだw

敵側の陰謀を暴いた際に、相手が泣いただけでアッサリ許してしまうのもどうかと思うなぁ。

陥れる気満々の奴を手放しで許してしまうのは如何なものかと。

立場が逆であればボロカスにされていたであろう相手に対して何の意味もなく情けを与えるってのはどうも腑に落ちない。

キャラ別感想。

優理

生徒会と新生会のルーツが明かされる話。

そこまで予想外というほどのものでもなく、さほど感情移入も出来ず。

当たり障りの無いシナリオと言った感じで可もなく不可もない。

作中に出てた、意思を継ぐフォロワーの一人って言い方はどうなんだろうか。

フォロワーって言葉入れなくても良くないか？わざわざツイッターみたいな言い方せんでも。

一葉

共通ルートでの出番が極端に少ないという不遇の扱いをされている女。

風紀執行部にも関わらず乱れた服装だったり(作中一のはっちゃけた容姿、がっつりハイブリーチの金髪にガーターベルト)、部室でニャンニャンしたり、部室を食堂代わりにしたり。ご自身も相当に風紀が乱れていらっしゃる。

凶悪犯罪をしてもそこまでの処罰が下らんみたいだし、この学園は根本的に規則自体がユルユルなようだ。

後半からはカード乱用による厨二バトル単なる武力行使。最早特撮。

あれ、学園モノのシナリオぢゃなかったっけ？なにこのバトル展開。

黒幕が影塗りってのはさすがにあかんでしょ、最後の最後で黒塗り背景と対戦ってのは如何なもんかと。

こんな非常口のマークにしか見えない奴が全ての元凶かつラスボスってのもどうかと思う。

二人同時に放った兵器の様な光線を生身で食らった役員のおっちゃんはなぜ気絶で済んだんだろう。普通死ぬぞ。

主人公の怒りで覚醒とかもそうだけど、このルートなにかとちょっと都合良すぎない？

主人公ソータローとマッシュルーム会長の異様なまでの戦闘力も謎である。

エンドロールに入っても船の上で吹いてた風の効果音が消えないのはそういう仕様なのかバグなのかどちらだろう。

やたら曲の最中にこれだけビュービューうるさい効果音が入るゲームってのは初かもしれない。

エリサ

９章に入ってからラストの展開の合間にサービスシーンを入れるのはあまり好印象では無かったかな。

ここは勢い良くガーッと進むべき展開だってのに変に休止させられると興を削がれるというもの、とりあえず落ち着いてからにしなさいよ。

ただ生命の危機に瀕したら子孫を残すという本能が出てくるらしいんで、リアルっちゃあリアルな展開かもしれない。

二回も命を落とした経験すりゃ、そりゃ発情するのも無理もないかな。

一葉ルートでもそうなんだが、ぽっと出の人物を黒幕に持ってきても全然感情移入出来ない。

今までの存在感皆無だったので「あー、こんな奴居たね」くらいにしか思えない。そういう影の薄い人間とドンパチやっててもイマイチ情が移らない。

赤の他人が悲惨な状況に陥ったところで、身近な人の風邪ほど心配にならないってのと同じ理屈です。

あの時を戻す時計を応用してのご都合エンドを危惧していたが、そうはならなくて良かったとは思う。

最初のまおりん先生の三学期限定ってのコロっと忘れとった、こういう【そういや言ってた系】の伏線は回収好き。

ペット猫のナナちゃん、結局こいつは一体何者だったのか。

特殊空間で見つけた異様な長寿とあるが、単なる猫なのか否かは明かされず仕舞い。

この子の私服はとてもグッド！

肩の出てる胸の強調された白セーターにミニスカニーソの絶対領域。そして前かがみになった際にチラリと覗く谷間。素晴らしい。

凛堂

テストで勝てば言いなりに出来る、これイケナイ事のフラグにしか思えない。

こーゆーとこにこそ選択肢欲しいところ、色々と楽しめそう（意味深）まぁさすがに無理があるか。

病気を転移したってのは先が読めていたというか分かりきっていた、というかそれ以外に考えられないかと。

何の意外性も無いし、明らかに悪人ではなさそうな人物に恨みを抱いている時点で誤解だったということは目に見えている。

あまりにも先読み通りだったので特に何の感情移入も出来ず。

逆に言えば、あのお姉ちゃんを悪役にでも仕立てればどんでん返しでいい感じにユーザーに衝撃を与えられそうだ。

雪

主語を飛ばす悪い癖の持ち主。

前の会社にもいたなぁ、主語飛ばすおっさん。

指摘すると「それくらいわかるだろ！」って逆ギレしてきたな。~~このハゲー！みたいな感じで~~。

いやいや、主語飛ばしてしまうとそこから無限の解釈を強いられる訳ですよ。それで話に齟齬が生じ、結果として意思の疎通がままならなくなるんですよ。

そんなリアルでのプチトラウマもあり、この子への印象はややマイナスかな。

当てつけっちゃあ当てつけだが、やっぱ会話を飛ばす人にはいい印象は抱けないかなと。

作中でも主人公が雪の発言を解釈するのに手こずり、その分だけシナリオの進行が遅れている。

なので実質省けていないし、なんなら余計な尺が増えているとも言える。

個別シナリオだが、不可思議な場所へ迷い込んでしまったあげく、強く願っただけで特に何ら問題なく戻ってこれるというイマイチパンチに欠けるってだけのお話。

この作品の中でも最も感情が湧かなった、本当に感想らしい感想が無である。

実際このシナリオでやってることと言ったらトト■の焼きまわし程度にしか思えない。

最後に

主人公ソータローと結ばれなかったらやべぇ事になってるヒロインが大半なのだが、その辺はどうなんだろ。

「あなたがいなければ」なんて事をちょいちょい言っているが、選ばれなかった場合どうなったんだろうか。

そこはタイトルの示す通り秘密(アリスグラム)~~大人の事情~~という解釈でよろしいのかな。

あと秘密を解き明かせるかって触れ込みだったが、いくつか釈然としない部分もあった気がします。

【春音アリスグラム】【ネタバレなし】レビューと感想。